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フルーツを食べる人 vol.12 桃

2020年07月13日更新
フルーツを食べる人 vol.12 桃
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SUMMARY

  1. ・中国での桃
    ・日本での桃
    ・世界に広まった2系統の桃
    ・桃が美容と健康にいい理由

連載記事としてお送りしている”フルーツを食べる人”は今回で12回目の連載となりました。 
 
今回のトピックは、桃。 
そのみずみずしくて甘い香りのフルーツは昔から人々に愛されてきました。

 
この時期に旬なフルーツである桃。 
原産地は中国の黄河上流の高原地帯といわれ、中国や日本の昔話に出てくるなど、昔から馴染み深いフルーツだ。 
 
『西遊記』には、崑崙山に住む西王母という女仙(じょせん)の果樹園があり、そこには食べると仙人になれる桃や不老長寿になる桃があり、果樹園の管理人を任された孫悟空がこの桃を盗んで食べたというエピソードがある。(※この桃がある果樹園の持ち主である西王母の誕生日が3月3日であったことから、3月3日が桃の節句となったようだ。) 
 
中国漢代の地理書『山海経(せんがいきょう)』によると、古来中国の東方の海上には度朔山(どさくさん)という山があり、様々な鬼が棲んでいた。その頂きには大きな桃の木があり、その東北に鬼門があった。鬼はこの鬼門を通過して人間界に出入りしており、神荼(しんと)・鬱塁(うつるい)という神仙(しんせん)が人間に危害を加えた鬼を取り締まっていたという。 
 
このことから、中国では春節の際には桃から作った板に神荼・鬱塁の名を記して家の門の両側に置き、鬼の侵入を防いで一年の平安を祈念する慣習があるという。 
 
日本では桃から生まれた桃太郎が鬼を倒す話が有名だが、『古事記』にも桃が登場する。イザナギがイザナミに会いに黄泉の国に行き、イザナミが黄泉の国の住人となってしまった事を知り、逃げ帰ろうとする時、追って来た魔物にイザナギは3つの桃を投げつけて追い払ったというエピソードがある。その桃には「オオカムヅミ」という神名が授けられ、神様として各地の神社で祀られるようになった。 
 
このように、中国のみならず日本でも、桃は「魔除け・邪気払い」あるいは「長寿・不老不死」のシンボルとされ、無病息災を祈るために神様にお供えする食物とされてきた。 
 
そんなフルーツである桃は、その美味しさから世界中へ広まっている。 
 
ヨーロッパには紀元前4世紀頃にシルクロードからイラン経由で伝わっており、黄色の果肉を持つ「黄肉桃」が多く作られている。日本には弥生時代に伝わったとされるが、江戸時代までは主に花の観賞用だったが、明治時代になると中国から水蜜桃が入ってきて、これが改良されて白い果肉を持つ「白肉桃」が作られた。 
 
主にこの「黄肉桃」と「白肉桃」という2つの系統に分けられ、「黄肉桃」は果肉が硬くシロップ漬けや缶詰、ジャムなどに加工して食べられることが多い。「白肉桃」は香りと甘みが濃厚で果汁たっぷり、果肉が柔らかく、生で食べられることが多い。 
 
成分としては、香の成分にγ(ガンマー)-ウンデカラクトンがある。別名ピーチアルデヒドとも呼ばれ、桃の主要な香気成分として、フレーバーやフレグランスにも使われている。その甘い優しい香りは、リラックス効果、鎮静効果をもたらすなど緊張を和らげて愛や安らぎをもたらすともいわれている。 
 
健康面では、食物繊維がバナナよりも多いくらい豊富で、ペクチンなどの水溶性食物繊維のため便秘の解消や腸内環境の改善が期待できる。また、クエン酸やリンゴ酸などの有機酸がたくさん含まれているので、疲労回復のサポートになるといわれる。 
 
さらに、100gあたり40kcalと低カロリーで、イノシトールという成分はコレステロールを下げ、脂肪の代謝を促進して脂肪の蓄積を防ぐことが期待できるため、ダイエット時にもおすすめである。 
 
美容面では、桃の果汁にはタンニン、フェノール、アミノ酸、フラボノイドなどを含むことから、保湿や皮膚代謝促進、炎症の鎮静など肌トラブルを防ぎ、肌本来の美しさへ導くことが期待できる。 
 
このように桃もまた女性にとってうってつけのフルーツである。水分も豊富でジューシーな桃をこの夏の食事のルーティンに取り入れてはいかがだろうか。 
 



【編集後記/西川雅明】 
桃は表面をうぶ毛が覆っています。これは、動物や昆虫、あるいは日差しや水、病原菌からも実を守っています。その分、皮を剥けば美味しい状態で食べることができます。この皮ですが、湯むきや包丁の背でこすることで簡単に剥けるようになりますので、是非試してみてください。

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2020年07月10日作成 └[連載]フルーツを食べる人。
ランク12位

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